開眼 ジェンダー・ギャップ
2022.03.24 19:01
その一週間後の3月8日は国連が定めた「国際女性デー」。「女性の権利と政治的、経済的分野への参加をもり立てていく」ために、1975年に制定された。それから47年がたち、世界では68人の女性大統領・首相が生まれている。
世界経済フォーラムが公表した「世界ジェンダー・ギャップ報告書」のジェンダー・ギャップ指数(GGI)で、2021年の日本の順位は156カ国中120位(0.656)だった。1位はアイスランド(0.892)。日本は特に政治分野での女性進出率が平均を大幅に下回った(0.061で147位)ことが大きく影響している。
われわれの身近な事例として、官公庁や企業のジェンダー・ギャップを見てみると、筆者が社会人になった頃とは隔世の感があるが、それでも件の経済分野順位は117位と低迷している。要因は女性の管理職割合の低さとパートタイム割合の高さにある。
これらの結果から、日本の遅れ(後進性)を声高に叫ぶ“識者”がいる。しかし、かつてはともかく現在では、決して女性を差別している国柄とはいえず、また、女性の活躍推進を怠っているわけでもない。働く女性のための環境は飛躍的に整えられている。要は性別にかかわらず、関連当事者の意欲と決断力の問題だと思う。
日本のフォン・デア・ライエンやロベルタ・メツォラが誕生する日を楽しみにしている。(政仁訓示)