農林漁業信用基金、林業・木材産業の創業支援 1年間で保証実績24件
2023.09.26 04:25
林業・木材産業は成長が期待されている。日本は国土面積のうち森林が約70%を占め、森林資源量も毎年6000万平方メートル増加。木材自給率も21年時点で約40%と、20年間で2倍になっている。都市部では建築物にも利用が拡大。さらに、森林の災害防止や水源の涵養といったSDGs(持続可能な開発目標)実現の観点からも重要な産業だ。
同基金は、同産業への進出を後押しすることを目的に、支援保証の取り扱いを開始。対象は、新規創業と新分野進出を目指す企業。業種は、造林・素材生産、木材製品製造など。保証限度額は3000万円。保証料は0.15~1.80%だが、最長5年間は保証料が免除されるのが特長だ。
岩手県では、一般企業で素材(丸太)生産に携わっていた個人が独立。生産の効率化に向けて、グラップル(物を掴むための装置)の導入を計画。同基金は、従業員の増員や、素材生産量を1.5倍にする計画などの将来性を高く評価し、保証を引き受けた。
また、金融機関を対象に保証制度の認知度を高める取り組みも強化する。各金融業界団体や個別金融機関の融資担当者などを対象に、業界背景や保証制度の説明会を開催。8月には東海地区信金と実施、さらに5機関と予定している。「林業・木材産業は融資対象としても有望。金融機関に制度をさらに知ってもらいたい」(?村洋総括理事)と強調する。