APIエコノミーとは
2021.12.15 16:09
こんにちは! 情報処理技術者試験「ITパスポート試験(iパス)」の公式キャラクター、上峰亜衣(うえみね あい)です。
「情報処理技術者試験って、システム屋さん向けの試験でしょ?」と思われた方! ITパスポート試験には、ITを利活用する全ての社会人に必要な知識が、ギュッと詰まっています。ITの基礎知識や情報セキュリティ基礎だけでなく、コンプライアンス、経営全般に関する基礎知識まで幅広く身に付けることができます。
さて、このコラムでは、ITパスポート試験の公開問題の中から、金融業界で活躍されている皆さんに特にオススメの問題を、複数回にわたってご紹介します。楽しみながら、「読んでよかったなぁ」と思っていただけることがあると嬉しいです!
では、早速1問目にいきましょう!
ITパスポート試験(iパス)問題例(公開問題 令和3年度分 問31)
問 APIエコノミーに関する記述として,最も適切なものはどれか。
(ア)インターネットを通じて,様々な事業者が提供するサービスを連携させて、より付加価値の高いサービスを提供する仕組み
(イ)著作権者がインターネットなどを通じて,ソフトウェアのソースコードを無料公開する仕組み
(ウ)定型的な事務作業などを,ソフトウェアロボットを活用して効率化する仕組み
(エ)複数のシステムで取引履歴を分散管理する仕組み
解説 正解は「ア」
「イ」はオープンソースソフトウェア、「ウ」はRPA、「エ」は分散型台帳についての記述。
API(Application Programming Interface)とは、あるソフトウェアから別のソフトウェアの機能を呼び出して利用するための手順などを定めたもの。APIエコノミーは、ネットワークを通じて様々な事業者が提供する機能をつなぎ合わせ、より付加価値の高いサービスを構築、提供する経済の仕組みのこと。
(亜衣)例えば、各銀行が公開するAPIを使い、複数の銀行口座の残高をまとめて見ることができるサービスなどがありますね。日本の金融業界でも、改正銀行法によってAPI公開の動きが高まりました。公開されているAPIを利用することは容易であり、企業間のコラボレーションを進める際にはとても便利です。しかし、APIを公開するということは、攻撃者にも狙われやすいということです。特に、単なる情報の参照だけでなく、情報の更新(預金口座間の資金移動など)もできるAPIを公開する場合は、セキュリティを強固にしておく必要があります。
(亜衣)関連する知識としては、アカウントアグリゲーションなどがあります。また、正解以外の選択肢も、どれも知っておきたい内容ですね!
執筆:独立行政法人情報処理推進機構/国家資格・試験部 原田明理
ITパスポート試験とは
経済産業省が所管する情報処理技術者試験の一区分で、ITを利活用するすべての社会人・学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。出題範囲は、ITや情報セキュリティの基礎知識だけでなく、コンプライアンス、経営全般に関する基礎知識など幅広い分野にわたります。当試験は、会場のコンピュータで解答するCBT方式により、通年で随時実施しています。
ITパスポート試験(iパス)公式Webサイト(→リンク先URLはこちらを使いたいです:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/?nikkin202112 )